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2025.05.22

読んだらこれであなたも歯周病に詳しくなる!

皆さんおはようございます。本日はお休みをいただいております。

5/26までお休みで、5/27より診療再開しますので、予約希望の方はネットにてお願いいたします。

先日患者さんから歯周病になぜなったのでしょうか?
という質問がありました。

歯磨きをしなかったから歯周病になるわけではなくあくまで一因ですとはお答えしましたが、少し詳しく解説いたします。
当院の患者様は歯周病があったとしてもある程度のところまでコントロールできる方がほとんどで本当に素晴らしいことだと思います。
歯周病は放置することで本当に怖い病気です。

バックナンバーでぜひお読みください。

歯周病は本当に怖い病気です

放置することで体の炎症が起き、老化スピードが速くなります。結果的に体をボロボロにするのが歯周病なのです。
先日縄文人の骨が見つかったというニュースがありましたが、歯周病に罹患していたそうです。太古から続く歯周病と人間の関係。。。なかなかロマンがありますね(ないだろと心の中で突っ込んだあなたありがとうございます)

歯周病になりやすい人、なりにくい人の違いとは?―現代歯周病病因論から読み解く

目次

はじめに

「歯周病になりやすい人」と「なりにくい人」がいるのをご存じですか?この違いの背後には、単なる歯磨き不足だけでは語れない「現代歯周病病因論」が存在します。これは、細菌(微生物因子)・宿主(免疫や体質)・環境因子の三位一体で歯周病が発症・進行するという考え方です。

歯周病になりやすい人の特徴
  • ・口腔衛生が不良プラーク(磨き残し)は歯周病の主な原因。Löeらの研究で、数日間のプラーク蓄積で歯肉炎が起こることが示されています【Löe et al., 1965】。
  • ・歯並びや噛み合わせが悪い:磨き残しが発生しやすく、歯周病菌の温床になります。
  • ・喫煙:免疫抑制・血流障害を引き起こし、治療効果も低下【Kornman, 2008】。歯周病の悪化のしやすさ因子としては非常に関係あります・
  • ・糖尿病などの全身疾患:歯周病の進行リスクを高め、相互に影響し合う【Mealey & Oates, 2006】。
  • ・遺伝的体質:IL-1遺伝子多型などにより、炎症反応が過剰になりやすい【Kornman, 1997】。
歯周病になりにくい人の特徴
  • ・毎日の正しいブラッシングと歯間清掃を欠かさない
  • ・定期的に歯科医院でメンテナンスを受けている
  • ・喫煙しない、バランスの取れた食生活をしている
  • ・全身の健康を維持している

現代歯周病病因論

現代の歯周病病因論では、「歯周病は複合的な要因によって発症する」という考え方が中心です。

1. 微生物因子(細菌)

プラークは多種多様な細菌からなるバイオフィルムであり、薬剤や免疫が届きにくい構造をしています。 とくに病原性の強い *P. gingivalis*, *A. actinomycetemcomitans*, *T. forsythia* などが関与します【Socransky et al., 1998】。

2. 宿主因子(体の反応)

同じ菌に曝露されても発症するか否かは、免疫応答・遺伝的素因(例:IL-1)・糖尿病や加齢などにより変わります。

3. 環境因子

喫煙、不良補綴、口呼吸、ストレス、食生活などが、歯周病を発症・悪化させる要因として知られています。

総合的アプローチの重要性

歯周病治療は、単に歯石を除去するだけでは不十分です。病因となる細菌・体の免疫応答・生活環境の3つの側面すべてを把握し、個別に最適化された治療戦略が求められます。
砂町北歯科は科学的根拠を大切にして臨床を行なっています。治療効果を最大限出すには患者様の理解も必要です。
お困りの方はご相談ください。
当院に通院中の方は、引き続き皆様のお口を守れるように我々も善処していきます。 大

引用文献

  • Axelsson P, Lindhe J, Nyström B. (1991). On the prevention of caries and periodontal disease: Results of a 15-year longitudinal study in adults. J Clin Periodontol, 18(3), 182–189.
  • Kornman KS. (1997). Interleukin 1 genetics and the risk for periodontitis. J Periodontol, 68(8), 920–925.
  • Kornman KS. (2008). Mapping the pathogenesis of periodontitis: A new look. J Periodontol, 79(Suppl 8), 1560–1568.
  • Löe H, Theilade E, Jensen SB. (1965). Experimental gingivitis in man. J Periodontol, 36(3), 177–187.
  • Mealey BL, Oates TW. (2006). Diabetes mellitus and periodontal diseases. J Periodontol, 77(8), 1289–1303.
  • Socransky SS et al. (1998). Microbial complexes in subgingival plaque. J Clin Periodontol, 25(2), 134–144.

院長

下田隆司
下田隆司

砂町銀座の通りにある歯科医院のブログです。
砂町北歯科院長として日々多くの患者さまのニーズやお悩みにお応えしています。
セカンドオピニオンにも対応しています。お口のお悩みなら砂町北歯科へお気軽にご相談ください。