皆様こんにちは。お久しぶりの投稿ですが、学会に行ったり色々していたらあっという間に6月になってしまいました。
沖縄の学術大会に参加し、 私の母校の先生も最優秀ポスター賞をとっていました。 大変良い刺激になりました。
私も頑張って、多くの患者様の役に立てるように、努力をしていこうと、改めて思ったのでした。
今現在日本は少子高齢化社会となり、口腔内の歯周病対策は非常に大切なことです。
歯周病の状態が悪いと、全身がボロボロになり、あっという間に体が衰えてしまいます。
なってから治療と言うふうに考えると、歯周病の治療は数年にわたって 動的治療がかかる場合もあり、 安定してからも、一生口腔内を管理していかなくてはいけません。
ですので、当院では科学的なアプローチに基づき、できるだけ歯周病、重症化させないと言う目標をスタッフ全員持っています。
もちろん、子供の患者さんも生活習慣の構築と言うところで全力で取り組んでいます。
ちなみにいつも歯周病の話ばかり書いているので、当院が子供を見ていないと誤解される方がいらっしゃいますが、 院長は一般的な小児の治療もしっかり対応できますので 連れてきていただいても大丈夫ですよ!笑
今回は歯周病による血管へのダメージということでブログを書いています。ぜひご一読ください。
目次
はじめに
江東区北砂・南砂にお住まいの皆さま、こんにちは。砂町北歯科では、地域の皆さまの口腔と全身の健康を守る歯科医療を提供しています。今回は「歯周病と血管障害の関係」について、専門的な視点から詳しく解説いたします。
歯周病が血管に与える影響とは?
歯周病は慢性炎症性疾患であり、炎症性サイトカイン(IL-6、TNF-α)やCRPの上昇を通じて全身に影響を与えます。歯肉の微細血管から細菌やその代謝物が血流に乗って全身を循環し、動脈硬化や血管内皮障害を引き起こすことが分かっています。
最新研究が示すリスクとエビデンス
国内外の疫学研究では、歯周病が心血管疾患(心筋梗塞、脳卒中)と有意に関連することが報告されています。歯周病患者は心血管イベントの発症リスクが約1.5〜2倍に増加するという報告もあり、因果関係も一部メカニズムで説明可能です(Lockhart et al., 2012)。
北砂・南砂地域の皆様へ:早期対応のすすめ
北砂・南砂地区は高齢化が進む一方で、糖尿病や高血圧などを有する方も多い地域です。
実際に調べてみても
生活習慣病: 江東区全体で糖尿病18 %、高血圧27 %と都・全国よりやや多く、年齢構成の偏りを考慮すると、北砂・南砂はこれ以上と推定されます。
こうした方々にとって歯周病の管理は、血管疾患予防の第一歩です。私たち砂町北歯科では医科との連携も含めた予防的アプローチをご提案しています。
歯周病と血管障害を防ぐ具体的な方法
- 毎日の正しいブラッシング(フロス・歯間ブラシ併用)
- リスクに応じて3〜6ヶ月ごとの歯周精密検査とPMTC
- 禁煙、減塩、バランスの取れた食事、適度な運動
- 重度歯周病には再生療法や抗菌療法の選択肢も(日本歯周病学会ガイドライン2020)
まとめ
歯周病は「お口だけの病気」ではなく、全身に影響を及ぼす生活習慣病です。とくに血管障害との関係は科学的にも強く支持されており、予防と早期治療が重要です。江東区北砂・南砂にお住まいの方は、ぜひこの機会に歯ぐきの健康チェックをご検討ください。
参考文献
- 日本歯周病学会 (2020). 『歯周病患者における抗菌薬適正使用のガイドライン』. 医歯薬出版.
- 日本歯周病学会 (2023). 『高齢者の歯周治療ガイドライン』. 医歯薬出版.
- Lockhart PB, et al. (2012). Periodontal disease and atherosclerotic vascular disease: does the evidence support an independent association? Circulation, 125(20), 2520–2544.
- Tonetti MS, et al. (2013). Impact of periodontal therapy on systemic health. Periodontology 2000, 62(1), 126–136. よって