「最近になって、自分の時間が少しだけ取れるようになったんです。」
先日、東京都江東区の砂町北歯科にご相談にいらした40代の女性患者さまが、そうお話しくださいました。お子さまの子育てが一段落し、ご自身の健康と向き合う時間が生まれたことで、ふと気になったのが「歯ぐきの腫れ」や「歯みがき時の出血」だそうです。
「毎日、きちんと歯を磨いているのに…なぜ?」
このような疑問を持たれる方は少なくありません。
結論から申し上げると、歯周病には“なりやすい人”と“なりにくい人”が確かに存在します。その違いには、科学的に明確な根拠があります。
歯周病になりやすい方の特徴
■ 喫煙歴のある方
タバコに含まれるニコチンは歯肉の血流を低下させ、免疫細胞の機能を抑制します。その結果、炎症が進行しても自覚症状が出にくく、知らないうちに歯周組織が破壊されていくのです。
■ 糖尿病や高血圧など、慢性疾患をお持ちの方
とくに糖尿病は、歯周病と双方向の関係があることが知られています。高血糖は歯肉の治癒能力を妨げ、歯周病菌の活動を助長します。
■ 家族に歯周病の既往歴がある方
近年の研究では、遺伝的な炎症応答の違いが歯周病のなりやすさに関与する可能性が示唆されています。家族に歯を早くに失った方がいる場合は、注意が必要です。
歯周病になりにくい方に共通する生活習慣
■ フロスや歯間ブラシを日常的に使用している
歯ブラシだけでは届かない歯間部の清掃が、炎症予防の鍵です。実際、フロス習慣の有無で歯周炎の発症率に大きな差が見られることが報告されています。
■ 定期的に歯科医院でメンテナンスを受けている
江東区のように都市部ではアクセスが良いため、3〜6ヶ月に一度の歯科受診をされている方が多く、歯周病の早期発見と管理に成功しているケースが多数あります。
■ 栄養とストレスへの配慮をしている
ビタミンCやカルシウムの不足、慢性的なストレスは、免疫機能を低下させ歯周組織の脆弱化を引き起こします。全身の健康と口腔の健康は密接に関係しています。
今日からできる!歯ぐきを守るための3ステップ
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毎日のセルフチェックを習慣に
洗顔時に鏡で歯ぐきを観察しましょう。色の変化、腫れ、出血がないかを確認します。 -
継続しやすい仕組みづくり
スマホのリマインダーや歯みがき記録アプリなどを活用し、ケアの習慣化を図りましょう。 -
歯科医院でのパーソナライズケア
歯周病の進行度は一人ひとり異なります。歯周病専門医によるリスク評価とオーダーメイドのケアプランが、予防・改善の鍵となります。
院長からのメッセージ【江東区にお住まいの皆さまへ】
「年齢的に歯ぐきが弱くなるのは仕方ない」と思われがちですが、それは誤解です。歯周病は生活習慣によって予防・改善が可能な疾患です。
40代であっても、適切なケアを始めれば、10年後もご自身の歯で美味しく食事を楽しむことができます。
東京都江東区北砂にある砂町北歯科は、歯周病のある患者様にエビデンスに則った専門的な治療を提供しています。まずは専門的なカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。
参考文献
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