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2025.08.30

予防歯科の大切さ

皆さんこんにちは。院長の下田です。
最近は暇な時間があれば書物を読んでいます!

医療の世界も日進月歩で次から次に新しい情報が出てきますが、私は患者さんに利益になるような知識が何かないか。を常に考えています。
ありがたいことにスタッフのみんなも非常に熱心で新しいことを私と共に吸収して患者さんに還元するように頑張ってくれています。

最終的には当院の患者様に新しい虫歯が発生しない、歯周病で困ることがない。というのも目標に頑張っています!

勉強すればするほど思いますが、かつての歯科医療は、痛みや不具合が生じてから治療を行う「対症療法」が中心でした。しかし、歯周病と虫歯が単なるお口の中の問題に留まらず、全身の健康に深く関わる慢性疾患であることが、近年の研究で明らかになっています。今、歯科医療は「治療」から、健康を維持し病気を未然に防ぐ「予防」へと、大きな転換期を迎えています。

この記事では、歯周病と虫歯のメカニズム、そして生涯にわたるお口の健康を維持するための「定期的な管理」の重要性について、エビデンスに基づいて詳しく解説します。

歯周病・虫歯はなぜ繰り返すのか? 科学的根拠に基づくメカニズム

歯周病:全身の健康を脅かす慢性炎症 歯周病は、歯周ポケット内部の細菌性バイオフィルムによって引き起こされる慢性炎症性疾患です。このバイオフィルム内の特定の細菌(例:Porphyromonas gingivalis)が産生する炎症性サイトカインは、歯周組織だけでなく血流に乗って全身に広がり、糖尿病や心疾患、脳血管疾患などの全身疾患の悪化に関連することが示唆されています

特に注目すべきは、歯周病と糖尿病の「双方向性」の関連です。血糖コントロールが不良な糖尿病患者は歯周病が重症化しやすく、逆に歯周病治療によってHbA1c値が改善することも報告されています。これは、歯周病が全身の炎症状態を高め、インスリン抵抗性を誘発する可能性を示唆しています。

虫歯:脱灰と再石灰化の微妙なバランス 虫歯は、口腔内のミュータンス菌などの細菌が、食べ物に含まれる糖質を分解して酸を産生し、歯の表面からミネラルを溶かす「脱灰」が繰り返されることで進行します。唾液の働きによって、溶け出したミネラルが再び歯に戻る「再石灰化」も常に行われていますが、このバランスが崩れると、歯の表面に穴が開き始めます。初期の虫歯は自覚症状がほとんどなく、進行が非常に緩やかなため、患者様ご自身での発見は困難です。

専門的ケアがもたらす揺るぎないメリット

これらの慢性疾患を効果的にコントロールするためには、ご家庭でのセルフケアだけでは不十分です。歯科医院での定期的なプロフェッショナルケアが不可欠となります。

  1. バイオフィルムの徹底除去: 歯科医院で行う専門的機械的歯面清掃(PMTC)は、通常のブラッシングや歯間清掃では届きにくい、歯周ポケットの奥深くや歯の複雑な形態に付着した細菌性バイオフィルム(感染性物質)を、専用の機器を用いて徹底的に除去します

  2. 早期発見・早期介入: 定期検診は、まだ自覚症状のない初期の歯周病や虫歯、さらには詰め物・被せ物の不適合や歯石の付着など、将来のリスクとなる兆候を早期に発見できる唯一の方法です。これにより、抜歯や大規模な治療を回避し、最小限の介入で健康を維持できます

  3. パーソナライズされた予防プログラム: 口腔内スキャナーなどの最新機器を用いて、患者様一人ひとりの歯列や清掃状態を詳細に分析します。そのデータに基づき、効果的な歯ブラシや補助器具の選定、適切なブラッシング方法を指導することで、セルフケアの質を飛躍的に向上させることができます

江東区の皆様の健康を支える当院の予防歯科

当院は江東区の地域医療の一員として、北砂西大島南砂にお住まいの皆様の口腔健康増進に貢献したいと願っています。

健康な歯周組織を維持できれば、菌血症のリスクは低下すると考えられており、当院では患者様のリスク状態に応じて、オーダーメイドの予防プログラムをご提案しています。お口の健康は、単なる美しさの問題ではなく、皆様のQOL(生活の質)と健康寿命を左右する大切な要素です。

お口の健康という一生の資産を守るために、定期的な歯科管理を始めてみませんか?お気軽にご相談ください。

参考文献

    • ・D’Aiuto, F. et al. (2018) ‘Systemic effects of periodontitis treatment in patients with type 2 diabetes: a 12 month, single-centre, investigator-masked, randomised trial’, The Lancet. Diabetes & Endocrinology

      , 6(12), pp. 954–965. doi: 10.1016/S2213-8587(18)30038-X.

    • ・日本歯周病学会 (2023) ‘糖尿病患者に対する歯周治療ガイドライン 改訂第3版 2023’,

    • ・日本歯周病学会 (2022) ‘歯周治療のガイドライン2022’,

    • ・Socransky, S. S. :et al. (1998) ‘Microbial complexes in subgingival plaque’, Journal of Clinical Periodontology, 25(2), pp. 134–144. doi: 10.1111/j.1600-051x.1998.tb02419.x.

    • ・Yoneyama, T. :et al. (2002) ‘Oral care reduces pneumonia in older patients in nursing homes’, Journal of the American Geriatrics Society, 50(3), pp. 430–433.

院長

下田隆司
下田隆司

砂町銀座の通りにある歯科医院のブログです。
砂町北歯科院長として日々多くの患者さまのニーズやお悩みにお応えしています。
セカンドオピニオンにも対応しています。お口のお悩みなら砂町北歯科へお気軽にご相談ください。