矯正治療後の後戻り
動的治療(歯を動かす治療)が終了した後、きれいになった歯並びを安定・維持させるためにリテーナー(保定装置)を装着します。この期間中にリテーナーの装着を怠ったために後戻りをしてしまうケースがもっとも多いです。
そのため、しっかりとリテーナーを装着することで後戻りのリスクを大きく軽減できます。
特に小児矯正治療後、きれいに並んだことに満足し、リテーナーを使わないというのは
大きな間違いです。
この保定期間も含めての矯正治療です。
せっかくお金をかけたのに後戻りしてしまった
という場合もありますが、保定期間は患者様の協力も非常に大切です。
後戻りしないようにする4つのポイント
- 態癖の改善 -
歯並びを悪くする口腔習慣・生活習慣を「態癖(たいへき)」と言います。
- 後戻りをさせる態癖
- 例)頬杖・横向き寝・うつぶせ寝・唇の巻き込み・舌の癖など
「口呼吸」「唇の巻き込み・舌の癖」「頬杖・横向き寝・うつぶせ寝」などの態癖が無意識に行われることで、継続的に力が掛かり、せっかくきれいに並んだ歯がまた動いてしまうのです。
態癖の力は矯正装置の力の数倍と言われており、歯は簡単に動いてしまいます。
- 例1)頬杖や横向き寝による歯並びの悪化
- 片方、または、両方の頬から圧力が掛かると前歯は前に出ようとして、出っ歯になってしまいます。
- 例2)唇の巻きに込みよる歯並びの悪化
- 上の前歯と下の前歯の間に下唇を挟む込んでしまうために、下唇の圧力によって、上の歯は前に押されて出っ歯になり、下の歯は奥に押し込まれてデコボコになってしまいます。
- 例3)舌の癖による歯並びの悪化
- 舌で前歯を押すことにより、上の歯は前に押されて出っ歯になってしまいます。
以上のように生きてい続ける限り後戻りのリスクは矯正治療にはつきものです。
少しでも後戻りのリスクを減らすにはしっかりと保定を行うことが非常に大切となります。
また態癖を改善することが非常に大切となります。
※矯正はあくまで一般治療の中の一部となります。せっかく矯正を行っても虫歯になったり歯肉炎になったり、他のトラブルを起こしては何の意味もありません。必ず、一般診療と並行して治療を行うことを当院ではお勧めします。
2020年06月21日 17:32