チーム診療
7月より月に一度ですが新しいドクターが診療に参加します。
特に難しい症例などは一緒にチーム診療という形で
行なっていきます。
チーム医療とは、医療環境で互いに対等に連携して治療やケアに当たることで患者中心の医療を実現しようというものです。
歯科というものは矯正、外科、補綴など色々な要素が
複雑に絡み合っての治療であり
特に難しいケースは判断が分かれる部分もあるため
チームで向き合うことにより
患者様の希望に寄り添った
医療を提供できるかと思います。
西大島駅と南砂駅の中間地点にある東京都江東区北砂の砂町北歯科では、むし歯治療、歯周病治療などの一般歯科はもちろん、予防歯科、矯正歯科、小児歯科、義歯など、総合的な歯科診療を行っています。
「口腔ケア」とは、口の中を清潔に保つことで、口腔内だけでなく体全体の健康を保つケアのことです。この言葉が生まれた背景には、介護を必要とする高齢者数の増加という日本社会の現状があります。加齢とともに体の機能が衰えると、自力で口腔環境を整えることが難しくなるため、介護者が代わりに高齢者の口腔内に気を使ってあげる必要が出てきます。
では、高齢者にとって必要な口腔ケアにはどのようなものがあるのでしょうか?
今回は、現在高齢者の介護に携わっている人に向けて、高齢者の口腔内の問題や、口腔ケアの効果とポイントについてご紹介します。
年齢を重ねると体にはさまざまな変化が現れますが、それは口の中も例外ではありません。高齢者の口腔内で起きている問題を見ていきましょう。
●自浄作用が低下している
口の中には「自浄作用」があります。唾液の力で歯の表面や舌、粘膜に付いた汚れや細菌を洗い流し、清潔に保つというものです。しかし、身体機能が衰えて唾液の分泌量が減っている高齢者の口腔内は、自浄作用が低下している状態になっており、意識してきれいに保つ必要があります。
●虫歯や歯周病が多い
加齢によって歯茎が下がり歯の根元が露わになると、そこから虫歯になりやすくなります。また、高齢者の口腔内は自浄作用が弱まっているため、本来は唾液で洗い流されるはずの細菌が増殖し、歯周病にもかかりやすい状態です。加齢による免疫力の低下も、虫歯や歯周病菌が増える原因の一つです。
●治療跡や入れ歯が多い
長く生きている高齢者は、その分虫歯や歯周病にかかった経験が多く、詰めものなどの治療跡が残っている人も少なくありません。また、歯周病で歯が抜けてしまい、入れ歯を使っている人も多いでしょう。詰め物をしている場合は、その下で虫歯が進行していることがあり、入れ歯を使用している場合は、入れ歯と粘膜の隙間に細菌が繁殖しやすくなります。またお口の中で入れ歯が不潔な状態だとカンジダ菌という真菌が繁殖してしまい、お口の中がピリピリしたような感じがするなどの問題を引き起こす場合があります。
●味覚が変化する
人は、舌の表面にある味蕾(みらい)という小さな器官で味を感じます。しかし高齢者の場合、口の中の自浄作用が低下しているため、舌の表面に舌苔が付きやすく、味を感じにくくなったり、味覚が変化したりすることがあります。また、偏った食生活による栄養不足も、味覚障害の原因の一つです。
●口腔内が乾燥する(ドライマウス)
高齢になると、噛む力の低下や服用している薬の影響で唾液の量が減ります。唾液は口腔内を清潔に保つ役割がありますので、ドライマウスは虫歯や歯周病の進行、また、雑菌の繁殖による口臭の原因になります。
口腔ケアは、口の中だけでなく体全体の健康を維持するために必要なケアです。口腔ケアの重要性と種類についてお伝えします。
●口腔ケアの重要性
口腔機能が低下すると、「噛んで味わう」「飲み込む」といった動作をスムーズに行えなくなるため、十分な栄養を摂取できません。栄養不足状態が続くと、運動機能の低下や認知症の進行、さらなる摂食障害につながる可能性があります。口腔ケアは、歯磨きや口腔内の洗浄で歯周病などを予防するだけでなく、摂食トレーニングや誤嚥性肺炎の予防といった高齢者の身体機能の回復につながる内容も含みます。口腔ケアを適切に行えば、高齢者に「おいしく食べる」という生きがいを取り戻させられるばかりか、介護をする側の負担を軽減させることもできます。
●口腔ケアの2つの種類
口腔ケアには「セルフケア」と「プロフェッショナルケア」があります。
セルフケアとは、歯ブラシやフロス、歯間ブラシなどを使って自分自身で口腔内を清潔に保つことです。
一方、プロフェッショナルケアでは、歯科医や歯科衛生士などの専門家が口の中と全身の状態を見て、より専門的なケアとアドバイスをしてくれます。ケアの目的は、歯石・細菌・汚れの除去、口腔機能の維持と回復、日々の食生活の改善などです。
口腔内と体の健康を保つには、セルフケアとプロフェッショナルケアの両方を取り入れることが大切です。
メリットが多い口腔ケア。ここでは、口腔ケアで得られる具体的な効果をご紹介します。
●唾液の分泌を促進する
残留物や細菌で口腔内が不衛生な状態では、唾液が出にくくなり口の中が乾燥します。口腔ケアで口の中を清潔にすると、唾液の分泌が促進されます。また、歯ブラシなどで「唾液腺」を刺激することで、唾液腺の働きを活発にし、意図的に分泌量を増やします。唾液には歯や口の粘膜を保護したり、虫歯や歯周病を予防したりする役割があるため、唾液の量を増やすことは口腔ケアにおいて重要なポイントです。
●感染症や発熱を予防する
口の中にいる細菌の中には、表皮感染症や食中毒を引き起こす「黄色ブドウ球菌」、呼吸器感染症を引き起こすおそれのある「肺炎桿菌」など、全身疾患の原因となる菌も存在します。口腔ケアをしっかり行わないと口腔内が菌の温床となり、感染症や肺炎にかかりやすくなることがあります。口腔ケアには、感染症や発熱の予防という効果もあるのです。今現在新型コロナウイルスによる診療控えが目立っておりますが、コロナウイルス関係なく死因の原因は肺炎です。口腔ケアによる肺炎予防は重要です。
●認知症を予防する
口を開けたり閉じたりして噛んで食べるという行為は、脳に酸素を送ったり刺激を与えたりするため、中枢神経を活性化し認知症を予防するといわれます。愛知県在住の65歳以上の健常者を対象に、2003年から4年間かけて行われた調査によると、歯が20本以上残っている人に比べて、歯がなく入れ歯も使っていない人は、認知症になるリスクが1.9倍も高いという結果になっています。
●誤嚥性肺炎を予防する
嚥下(食べ物を飲み込むこと)機能が衰えると、食べ物や唾液が気管に入ってしまうことがあります。このとき、口腔内の細菌が肺に入って起こるのが「誤嚥性肺炎」です。口腔内の汚れや細菌を減らすことは、誤嚥性肺炎の予防につながります。誤嚥性肺炎は高齢者の命にかかわることもある怖い病気なので、しっかり予防することが重要です。
●口腔機能の低下を防ぐ
高齢者は、「噛む」「飲み込む」「呼吸する」「話す」「表情を作る」といった口腔機能全般が低下しやすい傾向にあります。口腔機能が衰えると、十分な栄養が摂取できなくなり、免疫力の低下や摂食障害につながります。口腔ケアを通して口腔機能を向上・改善すれば、体全体の健康の回復が期待できます。
先日舌が痛いという患者様が来院されました。
色々話を聞くと舌痛症という病気を疑いました。「舌痛症」とは、口の中の粘膜面に生じる原因不明の痛みで、「口腔内灼熱症候群(バーニングマウス症候群)」と同じ病態です(図1)。国際頭痛分類第3版では、口腔内灼熱症候群の名前で中枢性顔面痛の一つとして分類されています。舌痛症の定義は、国際頭痛分類第3版に従うと、「口の中のヒリヒリ、カーッとした痛みまたはピリピリした不快な異常感覚が、1日に2時間以上で3カ月以上にわたって連日繰り返すもので、臨床的に明らかな原因疾患を認めない病態」となります。舌痛症は、正確には名前の通り、純粋に舌の痛みを訴える疾患として用いられます。
口を開こうとすると顎関節(耳の穴の前にあります)や顎を動かす筋肉が痛む、あるいは十分には大きく口を開けられない。または口の開け閉めで顎関節に音がする。という症状がでます。一生の間、二人に一人は経験すると言われているほど多くの方が経験します。症状が音だけであった場合、これは首を回したり、肩を動かして音が出るという状況と同じです。そのような音を気にして整形外科を受診する人はいないと思いますが、顎関節の場合、耳のすぐ隣にあるために「音が気になる」という人がいます。しかしこの音を消すためには手術が必要になることから、世界的には「音だけであるなら手術すべきではなく、治療する必要はない」とされています。ですから顎関節症の症状が始まったとしても、痛みや口の開けにくさが一時的だったとか、音だけで他の症状がなければ治療の必要はないかもしれません。ちなみに、音だけであれば最低でも人口の20%近くの人は顎関節の音を持つとされています。また顎関節や顎を動かす筋肉の痛み、あるいは顎関節症による口の開けにくさで、実際に治療が必要になる人は症状を自覚した人の中の5%程度と推定されています。
医療機関に来院される患者さんでは女性が多く、年齢は10歳代後半から増加しますが、20~30歳代で最大になり、その後は年齢が増えるとともに来院する患者さんは減少します。
(顎関節症スクリーニング項目) | ||
・口を大きく開け閉めしたとき、痛みがありますか | はい | いいえ |
この質問に対する回答が「はい」であり、その痛みが1週間以上続いているなら歯科医院を受診してください1)。
前に述べた顎関節や筋肉の痛みや口の開けにくさ、関節音のうちの一つがあり、他の病気を否定したときに顎関節症と診断します。一般的には、症状がどのように始まり、どのように変化したかをお聞きし、顎関節や筋肉、口の中を診査し、必要に応じてエックス線撮影やCTによって骨の異常の有無を調べ、骨以外の関節構造や筋肉の問題についてはMRIによって調べる場合もあります。顎関節症で出現する痛みや口の開けにくさは、親知らずの炎症や他の病気でも出ることがある症状なので、顎関節症であることを診断するためには、他の病気によって出てきている症状ではないことを確認する必要があるのです。
顎関節症の病気の状態(病態)は現在4つに分類されています。最も多いのは関節内にある関節円板(図1)というクッションが前方にずれることで起きる「カクンカクン」という音が出る状態(図2)、あるいはずれがもっと大きくなることで大きな口が開けられなくなる状態です(図3)。特に口が大きく開かなくなると、口を開けたり食品をかもうとするときに痛みが出ます。この2つの状態で来院される方が全体の60%ほどになります。これ以外では顎関節そのものには痛みがないのですが、下顎を動かす筋肉がうまく働かなくなり、口を開けようとすると頬やこめかみの筋肉が痛むという状態(図4)、あるいは関節円板のずれはないのですが、口を開けようとすると顎関節が痛む捻挫に似た状態があります。4番目はこれまでの3タイプほどは多くありませんが、関節を作っている骨が変形するタイプの顎関節症があります。このタイプは長年顎関節症が続いていたり、年齢の高い方に多くみられます(図5)。
昔は「かみ合わせの悪さ」が原因と考えられていました。今でも「かみ合わせが悪いと顎関節症を初めとして、全身にも色々な不都合が起こる」という意見もインターネットには沢山あります。しかしもしそれが事実なら、歯科医療事情がまだ整っていない発展途上国には顎関節症患者があふれているはずですが、国際学会に出席してもそのような話しを聞くことはありません。では何が原因なのでしょうか。実は原因を一つに絞ることができないというべきなのです。顎関節症の原因として現在世界的に認められている考え方は「多因子病因説」といいます。関節や筋に負担のかかる要因は色々あります。そのような要因がタイミングよくいくつも集まって負担が大きくなり、その人の持っている耐久力を超えると症状が出るという考え方です(図6)。そのような要因には表1に示すように色々なものがあります(表1)。このような要因の一つ一つは大きなリスクとは言えないので、それぞれを症状に対する「寄与因子」と言います。一つ一つは小さな要因ですが、このような寄与因子が多数集まることによって、症状を起こすほどの原因となるわけです。
まずはじめに、その人が持っている顎関節や顎を動かす筋肉の構造的弱さがあります。この構造が頑丈であればいろいろな負担に耐えられるでしょうが、弱い場合には症状が出やすくなるでしょう。「かみ合わせの悪さ」も寄与因子の一つではありますが、この寄与因子だけで症状を起こすケースはごくまれであると言えます。さらに症状が起きるきっかけとなる外傷があります。転倒して下顎をぶつけて顎関節を傷つけ、それがきっかけとなって顎関節症が始まることがあります。それ以外にも精神的要因としては、例えば不安の持続による筋肉の緊張持続から痛みが生じたり、顎関節を傷つける場合もあります。さらに、とりわけ多彩な要因として行動学的要因があります。この要因は生活や仕事など、日常生活の様々な面で現れるもので、患者さんによって持っている因子がまちまちです。
治療しようとする時にその患者さんの全ての寄与因子を特定することができるなら、それらの寄与因子をできるだけ除いて行くことで、原因に対する治療を進めることができるのですが、全ての寄与因子を見つけるということは非常に困難です。また見つけることができたとしても、除くことができない寄与因子もあります。例えば顎関節の構造がいかにもひ弱だと思われても、それを大きく頑丈にすることはできません。外傷についても、あらかじめ予測することは無理ですから、この寄与因子も除去することは困難です。そういった寄与因子のうち、特に行動学的寄与因子の中で、最近見つかった重要な寄与因子があります。それは必要がない時にも上下の歯を接触させている(かみ合わせている)歯列接触癖(Tooth Contacting Habit (TCH))と名付けた癖です2)。普通、口を閉じていても上下の歯はかんでいないのですが、来院する顎関節症患者さんの8割近くの方たちが口を閉じているときに上下の歯もかんでいるという癖をお持ちでした。この癖があると顎関節や筋肉に持続的な負担をかけることから、顎関節症を引き起こしやすくなることが分かってきました。しかもこの癖を治すと、大部分の患者さんの症状が改善することも明らかになりました。つまり、この癖が数ある寄与因子の中で最大の原因になっていることが分かったのです。このため、顎関節症の患者さんにこの癖をみつけた場合には、先ず一番にこの癖を治すべきということになったのです。
表1 原因となる寄与因子には色々あります。
1. 解剖要因: 顎関節や顎の筋肉の構造的弱さ
2. 咬合要因: 不良なかみ合わせ関係
3.精神的要因: 精神的緊張の持続、不安な気持ちの持続、
気分の落ち込み感覚の持続
4. 外傷要因: かみちがい、打撲、転倒、交通外傷
5. 行動要因:
1) 日常的な習癖
歯列接触癖(TCH)、頬杖、受話器の肩ばさみ、
携帯電話やスマホの 長時間操作、下顎を前方に突き出す癖、
爪かみ、筆記具かみ、うつぶせ読書
2) 食事
硬固物咀嚼、ガムかみ、片側でのかみ癖
3) 睡眠
はぎしり、睡眠不足、高い枕や固い枕の使用、
就寝時の姿勢(うつぶせ寝)、手 枕や腕枕
4) スポーツ
コンタクトスポーツ、球技スポーツ、ウインタースポーツ、
スキューバダイビング
5) 音楽
楽器演奏(特に吹奏楽器)、歌唱(声楽、カラオケ)、発声練習(演劇等)
6) 社会生活
緊張が持続する仕事、コンピューター作業、精密作業、
重量物運搬、人間関係での緊張、
アレルギー体質の人は近年ますます増え続けていると言われていますが、金属アレルギーも例外ではありません。
歯科では、特に保険治療において、銀歯や差し歯、入れ歯の金具などの材料として金属が使われていることが多いのですが、実はそれらが原因でアレルギーを起こすことがあります。
ですが、症状の出方が金属のアクセサリーなどによるかぶれのようなわかりやすい形で出てこないため、まさか歯科金属がアレルギーを起こしているとは思われていないケースも少なくありません。
歯科金属アレルギーは、口の中に出る症状、口以外の全身に現れる症状があります。全身的に現れる症状は、口と全く関係ないところに現れるところから、歯科金属アレルギーとなかなかわかりづらく、皮膚科の治療を受けても改善せず苦しんでしまう場合があります。
■粘膜の炎症・ただれ
歯科金属が接している粘膜が炎症を起こしたり、ただれたりというような炎症を起こすことがあります。口内炎が頻繁にできることもあります。また、唇や口角に炎症を起こすこともあります。
口内の粘膜に白い線状や網目状の模様のようなものが現れ、その周辺が赤くただれる状態となる扁平苔癬(へんぺいたいせん)を作ることもあります。
■味覚異常
お口の中にアレルギー反応が起こり、舌の表面の味覚受容体がダメージを受けると、味覚を正常に感じられなくなる「味覚異常」を起こすこともあります。
■掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
歯科金属の中でも特に保険で使用される金属は、唾液中にイオン化して溶け出しやすい性質を持っています。このイオン化した金属は体内に取り込まれ、体内のタンパク質と結合してアレルゲンとなって、汗を最もかきやすい場所である手のひらや足の裏にアレルギー症状を起こすことがあります。
これは掌蹠膿疱症と呼ばれ、手のひらや足の裏にかゆみを伴う多数の水疱や膿の袋が現れては潰れ、という症状を繰り返します。
■接触性皮膚炎、湿疹
全身の皮膚のあちこちで接触性皮膚炎や湿疹を起こすこともあります。
①でも色々と歯科と金属アレルギーについて
述べましたが
金属は口腔内の細菌バランスも乱し、歯周病の進行を助長する場合もあるという研究もあります。
当院は生体に安全なセラミック治療を数多く行っております。
腕のいい技工士との連携も非常に重要となります。
虫歯治療で使われる銀歯や詰め物など、金属を口の中に入れることで顔・全身にアレルギー症状を発症すること。アレルギーの原因物質は血液の循環によって全身に回ることから、さまざまな部位に症状が出るのが特徴。例えば、口内炎や歯肉炎、舌炎など口腔内の症状だけでなく、口の周りや背中、手や足など、全身の皮膚に湿疹などの炎症が現れることも。人によっては、「なかなか治らない背中の湿疹が、実は歯科金属アレルギーだったということが判明。対象の金属を除去したら、完治につながった」というケースもあります。また、口の中に金属を入れて数年後に突然発症することもあるため、注意が必要です。
口の中に入れている銀歯や詰め物などの金属が原因となり、アレルギー反応が生じます。とはいえ、金属そのものが直接的にアレルギーを引き起こしているのではなく、金属から溶け出した金属イオンが体内に吸収されることがきっかけで起きてしまいます。また、アレルギーの原因となる金属は、現在も銀歯などに使用されているバラジウム合金が多いといわれていますが、人によって異なるため、検査が必要です。(皮膚科にて行います)
よく見られるケースは、「口内炎が頻繁にできてしまう」、「舌がピリッと痛い」といった口内炎や舌炎など、口腔内の炎症が生じます。そのほか、唇が赤く腫れ、ただれてしまう口唇炎や口角炎など、口の周りや顔面に症状が現れることも少なくありません。また、全身のさまざまな部位の皮膚にアトピー性皮膚炎のような発疹ができたり、手のひらや足の裏に水膨れが生じたりするケースもあります。場合によっては、頭痛やめまい、慢性的な肩凝り、脱毛などにつながることもあります。
第一に、アレルギーの有無や原因となっている金属を特定しなければいけません。そのために、金属アレルギーのパッチテストを行います。一般的には、試薬のついたパッチシールを体に貼った上で、2日後、3日後、7日後の3つのタイミングで皮膚の変化をチェック。確認された所見をもとに、アレルギーがあるかどうかの判断をしていきます。また、皮膚への悪影響が考えられるなど、何らかの理由でパッチテストが難しい場合、血液検査を代用することもあります。パッチテストや血液検査で陽性反応が確認できたら、今後は口腔内で原因となっている金属を特定するための検査を進めていきます。
アレルギー反応の原因となっている金属や、それが使われている銀歯や詰め物などが特定できたら、まずは口の中から原因物質を完全に取り除くことから始めます。その上で仮の歯や詰め物を入れ、口腔内や全身に出ていた症状が改善するかを観察していきます。完治までに数カ月など時間がかかることも少なくないことから、定期的な通院が必要となるのが特徴です。症状の改善が確認できたら、仮の歯や詰め物を除去し、安全な素材を慎重に選んだ上で修復する。なお、アトピー性皮膚炎のように発疹やかゆみがひどい場合、かゆみ止めなどの外用薬が処方されることもあります。
アレルギーを引き起こしていた金属を取り除いたとしても、すぐに症状が落ち着くわけではない。完治までに数ヵ月ほどの時間がかかるため、歯科医院での定期的な検診が必要となります。また、再発防止に向けて、アレルギー反応を引き起こす金属に触れないようにするなど、日頃から注意しなければいけません。
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