北砂の歯科なら砂町北歯科|インプラント・歯周病治療・根管治療・セラミック治療に強い歯医者|江東区

西大島駅と南砂町駅の中間地点である東京都江東区北砂、砂町銀座にある砂町北歯科は、歯を残す事を重視した高品質の総合歯科治療を提供する歯科医院です。歯周病治療、インプラントや精密根管治療やセラミック治療に強く、やり直しの少ない根管治療を提供しています。セカンドオピニオンや小児歯科治療なども対応しています。

院長ブログ

糖尿病のコントロール状態(HbA1c)

糖尿病とはどんな病気でしょうか?

膵臓からのインスリンの分泌が少ないか、体内でのインスリンの効き目が悪くなることによって、慢性的に血糖値が上昇し、特有の合併症が発生する病気です。自己免疫疾患的な要因でインスリンを出す細胞を破壊されてしまっている場合もあります。

糖尿病の診断について

1、下記の血糖値または、HAb1c値が別の日に2回以上認められた場合

  空腹時血糖値126ml/dl以上

  75g経口ブドウ糖負荷試験の2時間200mg/dl以上

  随時血糖値200mg/dl以上

  HbA1c値6・5%以上

2、上記の血糖値が一回でも認められただけで診断できる場合

  特有の症状(口渇、多飲、多尿など)網膜症がある場合

  HbA1c値6・5%以上

糖尿病の合併症について

急性合併症

糖尿病ケトアシドーシス 高血糖高浸透圧症候群 低血糖昏睡

慢性合併症

細小血管症 ・・・ 網膜症 腎症 神経障害

大血管症  ・・・ 脳梗塞 心筋梗塞 足の動脈の閉塞

糖尿病ケトアシドーシス  極端なインスリン不足によって起こり、ケトン体が増え血液が賛成に傾き、  脱水が起こる意識障害

高血糖高浸透圧症候群  著しい高血糖と極度の脱水によっておこる意識障害

低血糖昏睡  血糖が30ml/dl以下になると発症しますが、いきなり昏睡になることはありません

歯科受診時での注意点

歯科受診をするときの3つの注意点

1 感染しやすいこと

2 傷が治りにくいこと

3 歯科疾患や治療によって血糖値が大きく変動すること

1 歯科治療においての治療、特に抜歯などの観血処置において、お口の中にいる常在菌が血液の中に入ることによって、感染が起こります。感染が起こった状態を菌血症と呼びます。

 健常者の場合、特に症状もなく経過しますが、糖尿病がある場合は重症化することがあります。合併症の予防の基準は、HbA1c値 7・0%未満とされています。 また、血糖コントロールが良好の場合でも、抜歯などの際には、抗生剤の術前投与、術後の投与が菌血症の予防につながります。

2、糖尿病では高血糖による血流障害や神経障害などによって、傷が治りにくくなります。抜歯や歯周病の治療に時間がかかります。

3、歯科治療中に受けるストレスや麻酔注射によって血糖値が上昇すると言われています。治療の受診時には、食事を抜いたり、食事直前の時間帯は避ける様にしてください。また、糖尿病のお薬の使用時間に気をつけてください。血糖値の安定した時間帯に治療を受けるようにしてください。

治療にならないように予防することが大切です。

糖尿病になると感染しやすく、傷の治りが悪くなると説明しました。歯科の病気は虫歯や歯周病が大部分を占めています。これらは、定期的な予防をすることによって発症を防ぐことができます。

 虫歯の予防には、歯のクリーニング、フッ化物塗布といったことができます。

 歯周病の予防には、歯石の除去や歯磨きの仕方の改善をすることができます。

かかりつけの歯科医院を持って定期的に検診をすることによって早期発見早期予防をすることができます。

歯周病と糖尿病には、双方向の関係があります。

 歯周病を改善すると、血糖値がコントロールしやすくなり、糖尿病の病態が改善すると、歯周病をコントロールしやすくなります。また、 糖尿病の治療には、軽度の場合は食事療法のみの方もおられます、重度の場合はインスリン療法を受けている場合もあります。お薬手帳を必ず歯科医院に持参する様にしてください。

血糖値は最新のものをお伝えください。

血糖値が高く、重度の糖尿の場合で抜歯が必要な場合は全身管理のできる口腔外科のある総合病院での治療が必要な場合があります。その場合は紹介状を書かせていただきます。

まずはそもそも虫歯や歯周病にならないところから。

健康とは1日にして成立するわけではなく
1日1日の積み重ねにより長い時間の努力の結果成立するものです。

一緒に健康を作り上げていくお手伝いをできればと考えていますのでお気軽にご相談くださいませ。

2020年09月28日 13:19

症例集立ち上げました

症例集を立ち上げました。
当院は生体にも優しく審美的なセラミックの補綴治療数多く行っています。
お気軽にご相談ください。
2020年09月28日 09:48

最新の研究によると

最新の研究結果によると
(引用元はこちら:https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/396?fbclid=IwAR0YTmhOgpDTDbcV8wHDfmfIIiyXuMdnnTRfCZSCLn3UAQNR2JypnM-oFHs)

世界初ヒト歯周病の歯茎で脳内老人斑成分が産生されていることが判明
〜歯周病によるアルツハイマー型認知症への関与解明の新展開〜

公開日:2019.11.14 

研究成果 医歯薬学

 九州大学大学院歯学研究院の武 洲准教授と倪 軍軍(ニイ ジュンジュン)助教の研究グループは、中国吉林大学(九州大学との協定校)口腔医学院の周延民(シュウ エンミン)教授、同大学の聂 然(二ー ラン)大学院生(交換留学生)らの研究グループとの共同研究において、ヒトの歯周病の歯茎および歯周病原因菌であるジンジバリス菌(Pg菌)を全身に慢性投与したマウスの肝臓に、脳内老人斑成分であるアミロイドβ(Aβ)が産生されていることを初めて発見しました。
 臨床研究により重度歯周病の罹患と認知機能低下が正相関することが報告され、Pg菌成分がアルツハイマー型認知症患者の脳内に検出されたことから、歯周病によるアルツハイマー型認知症への関与が注目を集めています。研究グループは、ヒトの慢性歯周病の歯周組織におけるマクロファージおよびPg菌を全身投与した中年マウスの肝臓におけるマクロファージに、Aβ₁₋₄₂とAβ₃₋₄₂の産生を発見しました(参考図1)。さらにPg菌による炎症性マクロファージにおいて、カテプシンBに依存してAβ₁₋₄₂ とAβ₃₋₄₂産生が誘導されていることを突き止めました。
 これまでアルツハイマー型認知症の特異的な脳内病態であるAβ老人斑は、脳内で産生・蓄積すると考えられてきました。今回の研究では、Pg菌により惹起された炎症組織におけるマクロファージが脳内Aβ老人斑のリソースとなりうることを示しました。カテプシンBはPg菌感染したマウス肝臓におけるマクロファージにおいて炎症誘発およびAβ産生に関与することから、その制御により歯周病によるアルツハイマー型認知症の発症と進行を遅らせることが期待されます。
 本研究成果は、日本学術振興会 科学研究費助成事業(JP16K11478、JP16H05848、JP17K17093)および中華人民共和国国家自然科学基金の支援を受け、2019年11月12(火)に国際学術誌のオンラインジャーナル「Journal of Alzheimer’s Disease」に掲載され、また、重要な論文としてジャーナルのEditor's Choiceにも選ばれました。(https://www.j-alz.com/editors-pick)
 

(参考図1)ヒト歯周病の歯茎におけるマクロファージにおいてAβが発現している様子。
図の赤はマクロファージを示しており、青は細胞核を示す。黄色は(A)Aβ₁₋₄₂(緑)と(B)Aβ₃₋₄₂(緑)がマクロファージ細胞(赤)に局在することを示す。

これはすなわち口腔ケアを行うことがアルツハイマーの予防につながることを示唆している可能性が非常に高いと思われます。

口腔ケアにより得られるメリットは非常に大きいです。
上記のような理由からも当院は定期的なメンテナンスをお勧めしています。

院内は感染対策をしっかり行い、診療を行っています。
お気軽にお問い合わせくださいませ。

2020年09月25日 14:07

ネット予約に関して

ネット予約に関して再度確認です。

●初診の方、すでに通院されている患者様の定期検診の方への予約システムです。

●当日希望の方はお電話でのみ承ります。

●すなまち北歯科クリニック時代にかかられたことがあり、数年ぶりの方は初診相談よりご予約をお取りください。お分かりであれば以前の診察券番号も記入されてください。

●定期検診希望の方は砂町北歯科に既に通院している患者様に限ります。

●詰め物が取れたり、強い痛みなどで当日の診療を希望される方、予約のキャンセル・変更は必ずお電話でお願いします。このシステムにて予約をとっても処置はできませんのでご了承ください。
TEL:03-5683-0234

●院内の密な状況を避けるため、多少時間が前後することがございますがご了承ください。

●初診の方は歯周病検査・レントゲン・口腔内写真撮影にて保険の3割負担にて3000円から4000円ほどかかります。詳しくはHPの初診の流れをご覧ください。

●保険証をお忘れの場合診療をお断りする場合がございます。

●B型肝炎やC型肝炎などの感染症と診断されている方はお電話にてご予約をお願いします。

●矯正治療のご予約はお電話にてお願いいたします。

処置の予約は必ずお電話にてお願いいたします。
2020年09月23日 17:48

歯ぎしり

朝目が覚めたとき、「歯が痛い」「顎全体が重い」「頭痛や肩のこりを感じる」
心当たりのある方は、もしかすると寝ている間に歯ぎしりをしているのかもしれません。
今回は、歯ぎしりによって起こる悪影響について解説します。

 

歯ぎしりによって起こる悪影響

歯軋りの危険性

1.歯が磨り減ってしまう

寝ている間に起こる歯ぎしりは、通常の食事などでおこなう咀嚼時とは違い、本人の体重、またはそれ以上の力が加わるといわれています。特に強い方は1トン近くの力がかかるとも言われています。
歯と歯が必要以上の力で擦り合うため、噛み合わせの凹凸が徐々に失われ、咀嚼機能が低下するだけでなく、正しい噛み合せの位置も分からなくなってしまいます。

2.歯周病の悪化につながる

歯ぎしりによって強い力がかかるのは、歯だけではありません。歯を支える歯茎や顎骨にも悪影響を及ぼします。
強い力がかかることで歯が揺さぶられ、それを支える顎骨が徐々に壊れ始めます。歯と歯茎の隙間が広がると、細菌が入り込みやすくなりますので、歯周病が悪化してしまいます。
また、犬歯へ摩耗が加わると、前歯と奥歯のバランスが崩れるため、結果的に奥歯が歯周病になりやすくなるともいわれています。

3.知覚過敏になりやすくなる

歯が摩耗するということは、歯の表面に存在するエナメル質の量が減るということです。
エナメル質は、他の組織に比べてとても硬く、鎧のような役目をもっていますが、薄くなると内部への刺激が伝わりやすくなります。
それによって起こるトラブルの一つが、温度差のあるものがしみる、知覚過敏です。知覚過敏は、軽度であれば温度差のあるものを避けることで痛みを回避できますが、重度になると歯ブラシの毛先を当てることすらできなくなる恐ろしい病気です。
歯ぎしりによる噛み合わせの部分の凹凸の減少が見られたときは、できるだけ早く歯科医院で相談するようにして下さい。

4.顎関節症の原因になりうる

顎関節症
歯ぎしりは、強い力で噛み合いながら、下顎が前後左右に動きます。
下顎は、顎関節と繋がっており、過度な負担をかけると顎関節症を引き起こします。起床時に顎の痛みを感じる場合は、放置すると顎関節症を発症する可能性があります。症状が悪化すると、普段の会話や食事にも支障をきたすようになるので、注意が必要です。

5.肩こり・頭痛をおこす

肩こりや腰痛
咀嚼時には、下顎と繋がる顔面の筋肉が働いていますが、その筋肉は首や肩、背中など他の組織に繋がっています。歯ぎしりによる過度な負担は、顎関節以外にも関与する筋肉が筋緊張を起こしやすくなり、繋がる首や肩、背中にも影響します。
結果、頭痛や肩こり、背中の痛みの原因となり、症状が慢性化する恐れもあるため、早めの対策が必要です。
首や肩、背中のハリを感じたときは、歯ぎしりをしていないか確認してみましょう。

6.歯並びが変化する

歯と歯が強い力でぶつかり合う歯ぎしりは、歯が揺れ動く原因となり、歯並びに変化が起こります。不適切な歯並びになってしまうことで、咀嚼機能の低下、歯周病の悪化、虫歯が発生しやすくなるなど、さまざまなトラブルの原因となります。

7.消化不良を引き起こしやすくなる

噛む力の低下による消化不良
歯ぎしりによって噛み合わせの不具合や顎関節の痛みが起こると、咀嚼機能を低下させるため、結果的に消化不良を引き起こす原因にもなりかねません。
しっかりと噛めない、歯同士がフィットする位置が分からないと感じたときは、放置せずに歯科医院で診てもらうようにしましょう。

基本的にはすり減る前に早め早めの対策が肝心となります。

2020年09月17日 18:43

今月の矯正日

今月の矯正日は
9/20(日)の予定となっております。

矯正相談は初回無料ですが、矯正相談の前に一度一般の方で受診して頂く必要がございます。

骨格性の矯正治療が必要だと判断した場合は院長が高度医療機関へご紹介いたします。
2020年09月15日 11:13

歯周病の治療について

度々歯周病のことについては当ブログにて取り上げさせていただいております。
詳しくはこちら。
歯周病について(こちらをクリック)

歯周病は治らない病気です。糖尿病などと同じ生活習慣病の分類になります。
つまり、一度罹患してしまうと人により重症度は異なりますが
定期的な受診を一生継続することをオススメいたします。

歯科の疾患はどうしても自覚症状が乏しく、痛みが出るまでは放置しておこうと考える方も多いです。

しかしながら、痛みが出る頃にはすでに抜歯以外の選択肢がなくなってしまっていらっしゃる方も非常に多く見受けられます。

必ず早めに何か大きい問題が発生する前の受診をオススメいたします。
2020年09月15日 11:00

歯を失ったまま放置したら

歯を失ったけど困らないしいいや。という感じで放置している患者様をお見受けすることがあります。
その場合何が起きるかを知っておく必要があります。

1.歯の喪失を放置した場合に起こりうる危険性

1-1.隣在歯の傾斜

それぞれの歯は、隣り合う歯(隣在歯と言います)と互いに接触し合うことにより、歯列(歯並び)を構成しています。食物を粉砕する時、上顎歯列と下顎歯列との間に噛む力が発現しますが、隣り合う歯同士が相互に支えあうようにして噛む力に抵抗し、本来の歯の位置を保っていると考えられています。
ですので、部分的に歯を失った状態のままに長期間過ごしていると、失った歯の両隣の歯が、失った歯のスペースを埋める方向へと次第に傾いてきます。これを隣在歯の傾斜と言います。
すなわち、歯の喪失を放置した場合には、隣在歯の傾斜が引き起こされ、歯列が損なわれてしまう危険性があります。
歯の傾斜の図

1-2.対合歯の挺出

顎を閉じた時、上顎の歯は下顎の歯と、下顎の歯は上顎の歯と、それぞれ適切に接触し合うことにより、咬合(咬み合わせ)を構成しています。この時、咬み合う相手の歯を対合歯と言います。また、対合歯と適切に咬み合うことによって、それぞれに本来の歯の位置を保っていると考えられています。
例として、右下の奥歯を1本失ってしまった場合を考えてみましょう。この時、失った歯を補う治療を施さずに放置すると、右上の奥歯は、それまで噛み合っていた相手を失ったままとなってしまいます。やがて、右上の奥歯は、咬み合う相手がいないために下方向へと移動し、伸びてきてしまいます。これを対合歯の挺出と言います。
すなわち、歯の喪失を放置した場合には、対合歯の挺出が引き起こされ、反対側の歯列も損なわれてしまい、その後の治療が難しくなります。
歯の挺出の図

1-3.咬合の変化

正常な歯列では、上顎歯列と下顎歯列との接触関係が顎の動きに調和することにより、咬合(咬み合わせ)のバランスが維持されていると考えられています。さらに、顎の関節や筋肉の働きとも調和することにより、正常な機能が安定して営まれると考えられています。
部分的に歯を失った状態のままに長期間過ごしている場合、隣在歯の傾斜や対合歯の挺出が生じ、上下顎それぞれの歯列が損なわれることから、顎の動きに対する不調和が生じやすくなります。例えば、咬み合わせる時に一部の歯に強い負担が集中したり、顎を左右に動かす時に傾斜歯や挺出歯が干渉したりするようになります。このような咬合の異常は、顎の関節や筋肉の働きに悪影響を及ぼし、顎の動き自体を変化させ、不安定にさせる場合があります。
すなわち、歯の喪失を放置した場合には、咬合が変化し、不安定になる危険性があると言えます。咬合の治療はかなり難しく、治療にはかなりの困難が伴います。

1-4. 咀嚼・発音への影響

それぞれの歯により構成される歯列、上下顎の歯列により構成される咬合、さらに顎の関節や筋肉の働きとの協調により、口腔の機能(咀嚼や発音)が正常に営まれると考えられています。
前歯には、食品を咬断して口腔内に取り込む役割があり、臼歯には食品を粉砕して唾液と混和し、嚥下できるように食隗を形成する役割があります。歯の喪失を放置した場合には、これらの機能が十分に働かず、また次第に残っている歯の負担が大きくなっていきます。臼歯を喪失した場合には咀嚼能力が低下し、摂取できる食品の種類が限られるようになり、やがては栄養に偏りが生じやすくなります。
前歯を喪失した場合には発音へも影響し、特に「さ行」「た行」「な行」「ら行」への影響が目立ってきます。明瞭な発音が困難になると会話が楽しめなくなり、他人との交流が億劫になってしまう場合があるかも知れません。

2020年09月13日 09:46

歯の痛みが取れない

歯の痛みが取れないという方がいらっしゃいます。
歯の痛みというと虫歯、歯周病などがまず最初に疑われます。
しかしながら、完璧に根の治療や歯周病の治療を行っても痛みが取れずなんだか違和感があるという方が稀にいらっしゃいます。

そういう場合は非歯原性歯痛を疑います。
「非歯原性歯痛」は「ひしげんせいしつう」と読みます。ほとんどの方は初めて耳にする言葉ではないでしょうか?「非歯原性歯痛」は「歯には原因がない歯痛」のことです。ここではこの「非歯原性歯痛」について解説していきます。

1. 「非歯原性歯痛」と「歯原性歯痛」

歯科医院を受診する動機の最も多いものは「痛み」と思われます。お口の中や周囲に起こる「痛み」。激しい痛みは「一刻も早く取り除いてもらいたい」と思いますし、たとえ軽い痛みであっても、何となく不安になってくるものです。これらの痛みの多くは、歯が原因となる歯痛であり、「歯原性歯痛」と呼ばれます。歯原性歯痛は、歯の中の神経(歯髄)や歯の周りの歯を支える組織(歯周組織)が原因となる痛みであり、歯科医師による歯科の治療によってのみ治まる痛みといってもよいでしょう。「歯原性歯痛」は「侵害受容性疼痛」ともいわれます(これらの痛みの原因や治療法については、受診される患者さんも、この痛みには歯の治療が必要だと思われるかもしれませんが、必ずしもそうではないことがあります。それが「非歯原性歯痛」です。

(1) 非歯原性歯痛の分類

非歯原性歯痛には表1に示すように、その原因により多くの分類があります。原因が異なれば治療法も異なってきます。またこれらの非歯原性歯痛は、「歯を治療しても良くならない痛み」、でもあります。患者さんに、「歯が原因ではない歯痛がある」という知識がないと、「歯の痛みで歯医者に行ったのに、歯の治療をしてくれない」といった不満が生じることがあります。是非「非歯原性歯痛」というものがある、ということだけでも知っておいていただきたいと思います。

非歯原性歯痛を歯原性として治療すると

もし非歯原性歯痛を、歯が原因の「歯原性」として治療にとりかかるとどうなるでしょうか?歯の治療は痛み本来の原因除去とはならないため、痛みは解消されません。非歯原性歯痛の中には、ときどき痛くない期間があり周期的に生じるものもあるため、たまたま痛くない期間に歯の治療を行った場合は、歯の治療で良くなったように見えてしまいます。どちらにしても、痛みが続くので、さらに歯の治療を続ける状況になります。歯の治療には、歯を削ったり、神経(歯髄)を取り去ったり、また歯そのものを抜く抜歯など、行うと元に戻れない治療があります。もちろん、お口の中で失われたものは人工物で補うことができる訳ですが、結果的に自分の身体の一部を失わないためにも、痛みに対する慎重な対応をしていく必要性があると考えられます。

2. いろいろな「非歯原性歯痛」

ここからは表1に従って、各非歯原性歯痛の内容をご紹介します。

表1 非歯原性歯痛の分類
1. 筋・筋膜性歯痛
2. 神経障害性歯痛
3. 神経血管性歯痛
4. 上顎洞性歯痛
5. 心臓性歯痛
6. 精神疾患または心理社会的要因による歯痛
7. 特発性歯痛(非定型歯痛を含む)
8. その他さまざまな疾患により生じる歯痛

出典:口腔顔面痛学会編「口腔顔面痛の診断と治療ガイドブック」より

(1)筋・筋膜性歯痛

筋・筋膜性歯痛は顎を動かす筋肉に痛みを生じる場所があるのですが、歯の痛みとして感じることで生じる非歯原性歯痛です。簡単にいうと「筋肉痛からくる歯痛」です。これには「関連痛」といわれる現象を理解しておくことが重要です。

1)関連痛とは?

関連痛とは、「痛みの原因が生じた部位と異なる神経支配領域に感じられる痛み」と定義されています。痛みの発生源(疼痛発生源)としては、顎を動かす筋肉(咬筋、側頭筋など)、内臓(心臓など)、鼻腔(上顎洞など)、関節等があります。そして痛い部位(疼痛感受部位)が歯や歯ぐき等に生じる時に、歯や歯ぐきに異常がないのに痛む状況になります。そのメカニズムには諸説があり、いまだに十分に解明されている訳ではありませんが、脊髄のニューロンが関連しているといわれています。

2)筋・筋膜性歯痛の特徴

痛みを生じやすいのは、主に上下の奥歯です。どちらかというと漠然とした鈍い痛みが多く、1日中痛む方もいれば、痛みが出たり引っ込んだりする方もいます。最も大きな特徴は筋肉中にトリガーポイントと呼ばれるしこりのようなものがあり、ここを指等で押すと「うっ」とうめくような痛みが生じます。そしてこのトリガーポイントを5秒程度押し続けると、歯痛が生じてきます。主なトリガーポイントの部位と関連痛を生じやすい部位を図にして示します。(図1、2)トリガーポイントを刺激した時に歯痛が再現されれば、筋・筋膜性歯痛と考えられます。

3)筋・筋膜性歯痛への対応法

筋・筋膜性歯痛の原因としては顎を動かす筋肉(咀嚼筋)が慢性的に疲労すると、筋肉の中に“しこり”ができ、痛みの発生源(トリガーポイント)となると言われています。場合によっては首や肩の筋肉に関連して歯痛が生じることもありますので、専門家にご相談なさることをお薦めします。

トリガーポイントは顎を動かす筋肉を酷使した結果おこる症状ですので、筋肉のストレッチやマッサージにより筋の血流を良くし、“こり”を解消していくことになります。急性であれば消炎鎮痛剤を服用することもあります。

(2)神経障害性歯痛

神経障害性歯痛とは、末梢から中枢に至る神経の何処かに障害が生じて感じる痛みです。 いわゆる神経痛と呼ばれるもので、瞬間的に刺されたような激痛が起こる「発作性神経痛」と、じりじりと焼けつくような痛みが、24時間絶え間なく続く「持続性神経痛」に分けられます。

1)発作性神経痛

主に頭部の神経を支配している三叉神経や、舌咽神経の神経痛です。上顎の犬歯や下顎の奥歯付近に痛みを感じることが多く、「ツーンとする」「瞬間的に電気が走り抜けるよう」(電撃様)な痛みと表現される激痛です。痛みは瞬間的で長くは続きません。激しい痛みとなる前に「歯がしみる」などの普通の歯痛が感じられることもあり、鑑別は難しいといえます。

通常50歳以上で発症し、鼻の脇等、痛みを誘発する特定の部位(トリガーゾーン)があることが多く、洗顔、髭そり、歯磨きに支障をきたすことがあります。発作と発作の間には、まったく痛みがありません。また「寛解期」といわれる、全く痛み発作が生じない時期があります。治療としてはカルバマゼピンというお薬が特効的に効果がありますが、やはり専門家の受診をお薦めします。

2)持続性神経痛

帯状疱疹性歯痛とも呼ばれています。神経節と呼ばれる部位に潜伏していた帯状疱疹ウィルスの感染症です。難治性疼痛のひとつと言われています。帯状疱疹関連痛には、急性期の帯状疱疹と慢性期の帯状疱疹後神経痛があり、病態が異なります。

急性期は神経(主に三叉神経)の走行に一致した部位に水泡形成や知覚鈍麻が生じます。この時ウィルスの進行に伴い、激しい歯痛が生じます。痛みは1日中持続し、痛みで夜も眠れない状況になります。

粘膜に生じた水泡や皮膚に生じた皮疹は徐々に治癒していきますが、慢性期になると神経痛のような痛みが残ることがあり、これを帯状疱疹後神経痛と言います。この神経痛に対するお薬(プレガバリン)が奏功します。鑑別診断が重要ですので、専門医の受診をお薦めします。

(3)神経血管性歯痛

片頭痛や、群発頭痛の症状の一つとして歯痛が生じることがわかっています。頭痛による関連痛といって良いもので、お口やその周囲に生じる最も一般的な神経血管性頭痛は片頭痛です。痛みは歯の神経の炎症(歯髄炎)と大変似ているため鑑別が難しい歯痛の一つです。

この場合、歯の治療を行っても効果はありません。まずは頭痛の専門家を受診し、頭痛の治療を行うことが必要です。

(4)心臓性歯痛

狭心症や心筋梗塞などの疾患に関連した歯痛が数多く報告されています。他の疾患(動脈解離、心膜炎)から歯痛が生じた例もあります。痛みは発作性に生じ、特に運動(歩行など)により歯痛が生じるといった、運動との相関関係が認められます。これらは迅速に心疾患の治療を行う必要があり、心臓の専門家を早急に受診していただくことが重要です。

(5)上顎洞性歯痛

上顎洞とは副鼻腔のひとつで、左右の上あご、主に奥歯の上にある骨の中の空洞です。この上顎洞の疾患で歯痛を生じることがあり、これを上顎洞性歯痛と言います。副鼻腔は風邪などにより炎症を起こすことがあり、鼻からの影響で起きている上顎洞疾患の治療は耳鼻咽喉科が行います。

(6)精神疾患による歯痛

精神疾患のなかの身体表現性障害の場合、特に身体化障害や疼痛性障害で歯痛が生じます。また、統合失調症、うつ病において身体症状として歯痛が出現することも知られています。これら精神疾患は精神科の対応が必要な疾患です。

(7)特発性歯痛(非定型歯痛)

明らかな原疾患がはっきりしない歯痛があります。原因不明の痛み、といえます。歯原性歯痛ではなく、さらに非歯原性歯痛のどの分類にも明確に当てはまらない歯痛です。時間の経過によって症状が変化し、内容が明確になることもあります。


上記のように痛みというのは実は非常に複雑で特定の難しいものも多くあります。当院はベーシックな治療をベースに行っていますが、上記のように特定の難しい疾患は高度医療機関へ紹介していきます。

まずは相談から行うことをオススメいたします。

2020年09月12日 09:37

区の歯科検診結果

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今現在多数の方に区の歯科検診を受けて頂いております。

結果において、歯石、虫歯など様々な問題が見つかる方が多いのですが、
虫歯などと判断されたら治療を受けることをオススメします。

悪化してからだと治療期間が伸びたり、選択肢も狭まります。

もっと歯を大事にすれば良かったという方も多くいらっしゃいます。
患者様にとって1番ベストな提案ができることを心がけています。

お気軽にお問い合わせくださいませ。
2020年09月07日 19:56